出版社内容情報
幕末・明治以降、近代日本の英語翻訳規範はどのように形成され、訳出の技法はどう展開してきたのか。読み手に負担を強いる「訳し上げ」規範の圧倒的優位に対抗すべく打ち出されてきた「順送りの訳」の有効性を、800点を超える英語翻訳研究書や手引き書を批判的・網羅的に分析することで明確に打ち出し、議論に終止符を打つ画期の書。日本通訳翻訳学会会長を務めた著者のライフワーク、ついに刊行!
内容説明
日本通訳翻訳学会の元会長による圧倒的ライフワーク、ついに刊行!幕末・明治以降、近代日本の英語翻訳規範はどのように形成され、訳出の技法はどう展開してきたのか。読み手に負担を強いる「訳し上げ」規範の圧倒的優位に対抗すべく打ち出されてきた「順送りの訳」の有効性を、800点を超える英語翻訳研究書や手引き書を批判的・網羅的に分析することで明確に打ち出し、議論に終止符を打つ画期の書。
目次
第1章 翻訳調をめぐって―柳父章と山岡洋一が遺したもの(柳父章の「翻訳調」批判;山岡洋一の「翻訳調」批判;山岡洋一と順送りの訳)
第2章 順送りの訳と情報構造(情報構造・談話構造・作動記憶;情報構造の主要な概念 ほか)
第3章 英語訳読史の展開―訳し上げと順送りの訳の系譜(前史;初期の英語の訳読法―幕末から明治末まで ほか)
第4章 翻訳者・通訳者たちの順送りの訳(翻訳者たちの順送りの訳;通訳者たちの順送りの訳)
第5章 訳読の方法と課題―ミル『自由論』の翻訳を例に(ミル『自由論』(J.S.Mill:On Liberty)の邦訳
例文1
例文2)
著者等紹介
水野的[ミズノアキラ]
1949年いわき市生まれ。1972年東京外国語大学ポルトガル=ブラジル語学科卒。(株)医学書院勤務。1988年より放送通訳と会議通訳に携わる。2002年から2007年まで立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科特任教授。2011年より2017年まで青山学院大学文学部英米文学科教授。元日本通訳翻訳学会会長。2024年2月没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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