内容説明
歴史学における近年の人文学的な研究の影響、歴史の主体の地球的な広がりがもたらしたポストコロニアル的観点など、E.H.カー『歴史とは何か』刊行以来半世紀の変化と発展を踏まえて歴史学の現在を語り、その未来を展望する好入門書。
目次
第1章 歴史とは何であったか
第2章 歴史とは何か
第3章 歴史認識の諸問題:歴史主義、現在主義、歴史叙述
第4章 隣接科学との交流
第5章 さまざな歴史学
第6章 歴史の行為者
第7章 ポストモダンの挑戦
第8章 ポストコロニアルと歴史学の視野
第9章 歴史学の未来
訳者補論 実証主義とポストモダンの歴史学の対話
著者等紹介
ウィルソン,ノーマン・J.[ウィルソン,ノーマンJ.][Wilson,Norman James]
1994年、U.C.L.A.にてPh.D.(History)取得。2001年にノースカロライナ州のMethodist College准教授、2003年にペンシルヴェニア州のMessiah College歴史学部准教授に就任し、2007年から同大学教授。専攻:ヨーロッパ近代史、史学史
南塚信吾[ミナミズカシンゴ]
1942年、富山県生まれ。千葉大学文学部教授をへて、現在法政大学国際文化学部教授。NPO歴史文化交流フォーラムと世界史研究所を主宰。アジア世界史学会会長
木村真[キムラマコト]
日本女子大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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陽香
2
201104082017/05/31
ゆたか
2
歴史を勉強しているのに、歴史学を知らないことに危機感を覚え手に取ってみた。主に19世紀以降の歴史学の流れ、代表的な論者の主張が平易な文章で紹介されている。カント、ヘーゲル、マルクス等、政治思想や哲学の分野に登場する人物がこの学問においてどのような影響を及ぼしたのか。断片的な知識が少しだけ有機的にまとまった。また、歴史は文芸か?はたまた科学なのか?歴史には一定の法則があるのか?様々な論点が今まで議論されてきたことに感動すら覚える。歴史学を学ぶことで、現実に対して冷静な立場をとることができそうである。2012/12/20