内容説明
19世紀に起源をもつ「文化史」は、社会史、人類学、文学、さらに視覚文化論に加え地理学や考古学などとの関係を変化させつつ、その観点、概念、目標を転換させながら、近年のように多様なかたちをとることになった。文化史の多様性、文化史をめぐる論争と対立、そこで共有されている関心や伝統とはどのようなものなのか。そして、とりわけ「新しい文化史」の時代を経て「言語論的転回」以降の文化史研究は、どこに向かおうとしているのか。本書は、英語圏だけでなく、ヨーロッパ大陸およびアジア、さらに南北アメリカなど世界的規模で展開する研究を網羅しながら、文化史研究に関する“過去・現在・未来”を明晰に論じる。
目次
第1章 偉大なる伝統
第2章 文化史の諸問題
第3章 歴史人類学の時代
第4章 新たなパラダイム?
第5章 表象から構築へ
第6章 文化論的転回を超えて?
結論
エピローグ―二一世紀の文化史
著者等紹介
バーク,ピーター[バーク,ピーター][Burke,Peter]
1937年、ロンドン生まれ。オクスフォード大学時代はキース・トマスやH.トレヴァー=ローバーのもとで学び、現在はケンブリッジ大学エマニュエル学寮に籍を置く文化史家。歴史理論・方法論のレヴェルで、マルクス主義、歴史人類学、社会学、美術理論、最近はパフォーマンス理論や認知科学などの領域と積極的に交渉しながら、文化史研究のフロンティアを拡大してきた第一人者。イギリスでは外国語に翻訳されている著作の数がもっとも多いといわれる知識人のひとり
長谷川貴彦[ハセガワタカヒコ]
1963年生まれ。現在、北海道大学教員。専攻は近代イギリス史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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