内容説明
2011年、国民皆保険制度は50周年を迎えた。その意義と問題点を検証すべく、新体制に移行した1960年代から70年代までの高度経済成長期を軸に、医療の普及過程や、人びとの老いと病、そして死に対する意識の変化と、その変化をうながした生活の変容を、史料にもとづき、史料と対話しつつ実証的に明らかにする。「生きること」の意味を求めて、庶民の暮らしに深く寄り添い、社会史の視点から「老・病・死」を問い続け、自らも両親の介護を経験した著者の、医療と介護の未来への提言。
目次
第1章 国民皆保険への途
第2章 国民皆保険が進める医療の社会化
第3章 医療を支える仕組みの変化
第4章 変貌する社会のなかでの保健医療
第5章 薬好きと薬づけ医療のはざま
第6章 結核から成人病(生活習慣病)の時代へ
第7章 医療施設からみた高度経済成長期
第8章 変化する開業医と患者の関係
第9章 社会的関心が高まった高齢者の医療と介護
第10章 増えつづける医療費の重圧
第11章 注視される医療倫理と医師患者関係の転換
著者等紹介
新村拓[シンムラタク]
1946年静岡県生。早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。文学博士(早大)。専攻は日本医療社会史。公立高校教諭、京都府立医科大学医学部教授を経て、北里大学一般教育部教授、副学長。著書に『古代医療官人制の研究』(1983年)、『日本医療社会史の研究』(85年)、『死と病と看護の社会史』(89年)、『老いと看取りの社会史』(91年)―以上の4書にてサントリー学芸賞を受賞(92年)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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