出版社内容情報
人々のくらしの中で祭りや儀礼,手仕事や芸能が生き生きと躍動するさまを描き,インド民衆の豊かな生活文化の伝統と変貌を捉えて〈忘れられたインド〉を発掘する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
in medio tutissimus ibis.
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ヒンドゥー教やその周辺領域の部族民の神話と、それにまつわる祭り、およびそれに伴う人形や仮面を用いた劇について。遺物から考察する先史時代から古代においての服飾、インドの職を語るのに欠かせない菜食について、また土壁を飾る文様やその描き手である女性の文化。凧や賭博などの遊び。インドにおける手漉きの紙の歴史と、現代における喪失。既に三十年も前に、それまでの二十年の間に諸方で発表されたもののまとめ。一貫したテーマはインドに関する研究という以上のものはないが、バラエティに富んだ文章からはインドの土の匂いが聞こえてくる2017/10/31