著者等紹介
チョッケ,マティアス[チョッケ,マティアス][Zschokke,Matthias]
1954年ベルン生まれ。俳優を経て作家、映画監督となる。ベルリン在住
高橋文子[タカハシフミコ]
1970年、横浜生まれ。翻訳家。現在ゲーテ・インスティトゥート東京および上智大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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きゅー
8
演劇作品。作家として生きることがいかに難しいことであるのか示す一方で、さらには作家がものを書くという行為の中に埋没することで、自分自身から乖離していく様子も描写されている。著者マティアスは誰もが自分の生を生きていないと考える。その中で特に作家こそが、自分の人生から切り離され、人生を体験することなく、想像した人生を文章にするための機械となってしまっている。そして文学賞というシステムは「無邪気な夢想家を捕まえて、文化の機械を動かす燃料にでもしようという」試みにほかならないと警告しているようだ。2014/03/26