出版社内容情報
老女たちからの聞書を経糸に,厖大な遺品・資料を緯糸に,母から娘へと幾代にも伝えられた手づくりの木綿文化を掘り起し,日本近代の木綿の盛衰を綴る。増補新版。
内容説明
老女たちからの聞書を経糸に、厖大な遺品・資料を緯糸に、母から娘へと幾代にも伝えられた手づくりの木綿文化を掘り起こし、日本近代の木綿の盛衰を生きた証言によって綴る。待望の増補決定版。
目次
第1章 木綿小史(木綿以前のこと;木綿の流入 ほか)
第2章 木綿の文化(粋な縞柄;絣文様 ほか)
第3章 織物と女性(機の織り出した知恵の言葉;織物と女たち ほか)
第4章 織機と織物の技術(木綿機と附属用具;木綿機の工程 ほか)
第5章 木綿余話(村の女たち;拡大家族の中で ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
斑入り山吹
4
長らく「読んでる本」になっていたが、やっと読み終えることができた。とにかく頭が下がる。搾取され続け家で虐げられた名など残らぬ主婦の、執念とでもいうべき労働の結晶がすばらしい絣なのだ、とひたすら畳み掛けられて、ぐーたらなわたしは、すみません、すみません、と謝りながらでないと読み終えることができなかった。綿や藍や機に鉄の話はたいそう興味深かったのだが、ウェットな部分が辛い。著者はそのウェットな部分を主張したいのだろうけど。これくらい強い感情がなかったら、保存活動をすることはできなかっただろうしな。疲れました。2013/07/28