出版社内容情報
日本古代信仰の根幹をなす蛇巫をめぐって,祭事におけるさまざまな蛇の「もどき」や各種の蛇の造型.伝承に鋭い考証を加え,忘れられたその呪性を大胆に暴き出す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Arisaku_0225
4
日本の古代蛇信仰とはどのようなものなのかを、古語や蛇の生態と関連付けながら考察されている。蛇があまりに恐れられたからこそ「擬き」をしたのかな?カカシやカガミと蛇の関連付けは非常に面白かった。最近の本で蛇信仰に関する本出てないかなぁ?2022/04/22
yozora
1
蛇の生態や語の研究をベースにして、蛇に関係のある日本の文化や行事、神話を解いている。鏡餅や鏡、案山子が蛇を模したものであったり、正月に迎えられる歳神は蛇であったりと様々な点で蛇を論じている。やや強引に感じられる箇所も無くはないが、全体的にも分かりやすかった。ただ、ヤマタノオロチや豊玉姫などの神話を知らないのでもう少しカバーしてもらえたらよかったかなと思う(というかそれは教養不足です。すみません)。2011/11/14
のりきよ
0
古代からの日本の風習や伝承を何でもかんでも蛇神信仰と関連させようとしている感じは否めないが非常に鋭い考察も多々ある。鏡餅・注連縄・案山子・その他カカという名がつくものと蛇神との関係性には確かに説得力を感じる。ただ、古代の鏡に関しては太陽神信仰のイメージが強いので、蛇神信仰との関連性には慎重な考察が必要だ。又、三輪山の近くであの唐古鍵遺跡のある奈良県磯城郡田原本町で蛇巻神事などの蛇神信仰が濃厚に残っているという指摘に強い興味を感じた。日本の古代史を考察するうえで蛇神信仰の考察は切り離せない重要なものだ。2014/05/10
めぐみこ
0
【再読】再読だったことにびっくりした。全然記憶ない。蛇にまつわる神話や民話って意外と多いんだなぁ。鏡餅や簑についての考察が興味深かった。2013/08/22
猫丸
0
まさか伊勢神宮が蛇神信仰だったとは……。太陽神設定は、後付けされた中国からの影響だったんですね。 お正月のしめ縄も、鏡餅も、丸餅も、言われてみれば納得。 蛇だけに、目からウロコな一冊です。2011/02/28