出版社内容情報
『ホモ・サケル』から『王国と栄光』を経て『身体の使用』まで、政治神学への取り組みを通じて変化する中で、脱構成として示される絶対的内在のアナーキーの肯定を提起するに至ったアガンベンの政治哲学。資本主義や民主主義といった具体的な論点に照らし、さらにはフーコー、ドゥルーズ、デリダ、シュミット、バトラーなどとの差異も検討して、この哲学者の思想の重要性を明らかにする。
【目次】
はじめに
序 章 問題の所在
第一部 存在・政治・神学──アガンベンの深化と変化
第一章 アガンベンにおける無為と行為──アリストテレス解釈をめぐるアーレントとの比較を手がかりに
第二章 逆境のメシア──アガンベンの政治神学的基礎
第三章 全存在は悪く統治されることを願わない──アガンベンのオイコノミア神学的展開
第四章 典礼権力から絶対的内在へ──アガンベンの権力論的転回
第五章 自己の使用は存在に先立つ──様態的存在論の政治
第二部 資本主義・民主主義・脱構成──アガンベンのアクチュアリティ
第六章 ノモスと終末──近代の生政治的ノモスとしての収容所
第七章 アガンベンの高度資本主義批判
第八章 デモクラシーかアナーキーか──デリダ・バトラー・アガンベンの秩序をめぐる鼎立
第九章 脱構成とは何か
結 語
あとがき
参考文献一覧
事項索引
人名索引