出版社内容情報
20世紀思想のなかでも無二の光芒を放つヴァルター・ベンヤミン。その哲学的・批評的営為の根底には、プラトンとライプニッツに遡る思想史的系譜、そしてその受容をめぐる新カント派、ロマン派やゲーテとの対決があった。芸術・言語・歴史についての解釈の極点で、イデアと真理、アレゴリーとバロックの主題へと展開されたモナドロジー的思考は何を表現していたのか。高精度の解釈で核心に迫る。
内容説明
ベンヤミンの認識論的思考の核心をなすライプニッツ受容の決定的意義。20世紀思想のなかでも無二の光芒を放つヴァルター・ベンヤミン。その哲学的・批評的営為の根底には、プラトンとライプニッツに遡る思想史的系譜、そしてその受容をめぐる新カント派、ロマン派やゲーテとの対決があった。芸術・言語・歴史についての解釈の極点で、イデアと真理、アレゴリーとバロックの主題へと展開されたモナドロジー的思考は何を表現していたのか。かつてない高精度の解釈で核心に迫る意欲作。
目次
第一章 認識の一元論と二元論―ベンヤミンと新カント主義(ライプニッツ、カント、ベンヤミン;コーヘンの新ライプニッツ主義;カントと形而上学の未来;ヘルダーリンと関係性の詩学)
第二章 芸術作品のモナドロジー―ベンヤミンとロマン主義(フィヒテとロマン主義における反省と直観;反省の連関と関係性の認識;芸術作品のモナド的構造;理念の連続性と理想の非連続性)
第三章 形態、力、歴史―ベンヤミンとゲーテ(ゲーテの形態学とライプニッツ;ベンヤミンのゲーテ受容と直観の理論;芸術作品の真理と表現;自然の原現象と歴史の根源)
第四章 モナドロジーとバロック―時間、感情、言語の問題(イデアの表出と現象の配置;バロック悲劇の時間;悲しみの感情とメランコリー;アレゴリー的言語と解釈的批評)
著者等紹介
茅野大樹[チノヒロキ]
1981年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程単位取得退学。博士(学術)。筑波大学人文社会系助教。専門は近現代ドイツ思想・文学・美学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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