出版社内容情報
人文学・社会科学の危機が叫ばれて久しい。しかし、この危機はどこにあり、何に由来するのか。その本質は何か。本論集では「社会的インパクト」という概念を独自に設定して人文学・社会科学の社会的意義を解明し、この危機を克服する方途を探る。高等教育のあり方、大学とは何かを問い、この危機に対する海外の取り組みの紹介とともに、文系学部廃止論、日本学術会議、学び直しなどの政策、国内外の若手研究者が抱える問題まで、多岐にわたり問題を提起する。
内容説明
人文学・社会科学の危機が叫ばれて久しい。しかし、この危機はどこにあり、何に由来するのか。その本質は何か。本論集では「社会的インパクト」という概念を独自に設定して人文学・社会科学の社会的意義を解明し、この危機を克服する方途を探る。高等教育のあり方、大学とは何かを問い、海外の取り組みの紹介とともに、文系学部廃止論、日本学術会議、学び直しなどの政策、国内外の若手研究者が抱える問題まで、多岐にわたり問題を提起する。
目次
編者前書き 学問の「自律性」と学問の「公共性」
第1部 人文学・社会科学の現代的危機とは何か?(イノベーションを哲学する―「批判的ファシリテーター」としての哲学;文系学問の危幾とは何か―意味世界への探究の再興のために;政策形成と人文学・社会科学の役割―日本学術会議を事例に)
第2部 海外の人文学・社会科学の現状(中国における人文・社会科学の振興と課題について;アメリカにおける人文学および社会科学の影響力、あるいは開花、開錠、関連づけ―学部学生の知性へのシスター・ミリアム・ジョセフ『トリウィウム』(一九四ハ)学修課程の効果(一つのケーススタディ)
「人文学は我々が世界を理解するための助けとなる」―ドイツにおける人文学の状況について)
第3部 人文学・社会科学の社会的インパクトとは何か?(人文学の社会的意義の説明―メタ倫理学に社会的意義はあるか?;人文学への憧れと社会科学的営為としての経済哲学―福祉国家を戦争国家にしないために、いま、われわれがなしうること;学び直しと人文学・社会科学のインパクト;技術の発達によって人間はどう変わるか―ベンヤミン、そしてゲーテ;個別性と普遍性が共存する文学の力―人間の生と社会改革への眼差し)
第4部 若手研究者の現状(競争で燃え尽きた世代―教授職とプレカリアートの狭間にあるドイツの若手人文科学者たち;人文学・社会科学 (社会学、歴史学、哲学、思想)における若手研究者の現状―新型コロナウィルス感染症のパンデミック下で顕在化した課題と見通し
参考資料 一橋大学大学院社会学研究科先端課題研究「人文学・社会科学の社会的インパクト」の活動記録
編者後書き 「有用性」と大学の自律的思考)
著者等紹介
加藤泰史[カトウヤスシ]
1956年生まれ。名古屋大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。椙山女学園大学国際コミュニケーション学部教授、一橋大学名誉教授。哲学・倫理学
松塚ゆかり[マツズカユカリ]
コロンビア大学大学院博士課程修了。Ph.D.(コロンビア大学)。一橋大学森有礼高等教育国際流動化機構教授。教育経済学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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