出版社内容情報
ドイツ・ロマン派の作家フリードリヒ・シュレーゲルの〈断片・断章〉形式による書記行為の現場に実証的研究で迫り、彼の美学思考そのものが、断章を書くという具体的作業と不可分に結びついていたことを明示する。最新のメディア文化学の知見に基づくことで、シュレーゲルの断章執筆を当時最先端の知識人の実践としてヨーロッパ人文学史の中に位置づけ、従来のロマン派研究を刷新する野心作。
内容説明
ドイツ・ロマン派の作家フリードリヒ・シュレーゲルの書記現場に実証的研究で迫り、思考と実践とが不可分に結びついた「書く」の系譜を浮かび上がらせる。最新のメディア文化史の知見に基づくことで、これまでのロマン派研究を刷新する野心作。
目次
第1部 断章形式の成立(断片を読む―一八世紀末における断片の諸相;断章を構想する―術語的な語法への先鋭化;断章を書く―文体・書法の成立過程;“間奏”「文献学」と「哲学」の分析―断章形式の一要素として)
第2部 文化技術としての断章的書記(読みながら書く―手稿断章群の書記現場(1)
下線を引く―手稿断章群の書記現場(2)
組み合わせる―手稿断章群の書記現場(3))
結論 断片・断章のメディア文化学
著者等紹介
二藤拓人[ニトウタクト]
1990年埼玉生まれ。立教大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。現在、西南学院大学国際文化学部准教授。専攻はドイツ文学・メディア文化(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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