出版社内容情報
「生命の尊厳」の語で、「生命」を値踏みする誘惑を決然と退けたはずの「尊厳」が、「尊厳ある生命」の語によって「生命」の選別を招き入れかねない。戦争の比喩でも語られるコロナ・パンデミックは、特にそれを顕在化させた。限られた医療資源とトリアージ、ワクチンの分配と格差、先端医療、ゲノム編集、自己決定、出生前・着床前診断、終末期医療・ケア、文学、政治など多様な領域の喫緊の問題として「尊厳」を論じる。
内容説明
「生命の尊厳」の語で、「生命」を値踏みする誘惑を決然と退けたはずの「尊厳」が、「尊厳ある生命」の語によって「生命」の選別を招き入れかねない。戦争の比喩でも語られるコロナ・パンデミックは、特にそれを顕在化させた。限られた医療資源とトリアージ、ワクチンの分配と格差、先端医療、ゲノム編集、自己決定、出生前・着床前診断、終末期医療・ケア、文学、政治など多様な領域の喫緊の問題として「尊厳」を論じる。
目次
第1部 コロナ・パンデミックと尊厳の問題(人間の尊厳と生命権―コロナ・トリアージと「人間の尊厳」;新型コロナウイルス感染症と医療資源配分;グローバルなワクチン分配のための倫理的枠組み―公正な優先モデルはワクチンの公正かつ衝平な分配という誓約を実現するための実践的方法を提供する ほか)
第2部 現代思想と尊厳の対話(リベラリズムと尊厳―魂の質素な生い立ちと傷つきやすさ;人間存在のアンチノミー―ソフィー・ノールマンにおける超越の現象学と尊厳;生と超越―生命論の生命疎外に抗して ほか)
第3部 先端医療と尊厳の問題(遺伝子改変人間の時代と日本;ヒトの生殖細胞系列に対するゲノム編集研究―ドイツにおいても新たな議論を行うことを支持する;ヒト遺伝子研究における「ロシアンルーレット」? ほか)
著者等紹介
加藤泰史[カトウヤスシ]
1956年生まれ。名古屋大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。椙山女学園大学国際コミュニケーション学部教授、一橋大学名誉教授。哲学・倫理学
後藤玲子[ゴトウレイコ]
1958年生まれ。一橋大学博士(経済学)。帝京大学経済学部・先端総合機構教授、一橋大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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