出版社内容情報
激しい宗教対立に明け暮れた17~18世紀ヨーロッパにあって、宮廷顧問官ライプニッツはいかなる政治思想を抱き、著述し、実践していたのか。近代市民社会の政治原理を探究したホッブズやロックらに比して知られること少なく、しかし現代の共同体論や福祉国家論にもつながる潜在力をはらんだ哲学者の政治思想を、『モナドロジー』や『弁神論』はじめ多様なテクストに基づいて論証する画期的研究。
内容説明
激しい宗教対立に明け暮れた17~18世紀ヨーロッパにあって、宮廷顧問官ライプニッツはいかなる政治思想を抱き、著述し、実践していたのか。近代市民社会の政治原理を探究したホッブズやロックらに比して知られること少なく、しかし現代の共同体論や福祉国家論にもつながる潜在力をはらんだ哲学者の政治思想を、主著『モナドロジー』や『弁神論』をはじめ多様なテクストに基づいて論証する画期的研究。
目次
第1部 ライプニッツにおける「慈愛」と「共通善」(ライプニッツにおける「慈愛」(caritas)の概念
ライプニッツの社会福祉論
ライプニッツの正義論―社会的公正の政治哲学)
第2部 ライプニッツ正義論の共同体論的性格(『弁神論』の政治哲学的ポテンシャル)
第3部 一七世紀正義論との対決(ホッブズ主意主義への論駁―『正義の共通概念についての省察』(一七〇三年)を中心に
プーフェンドルフ問題―自然法と神学の切断
ロック自由主義との対決―『統治二論』の批判的読者としてのライプニッツ)
第4部 ライプニッツの「正義」概念(初期ライプニッツの「正義」概念―「衡平」(aequitas)を中心に
中後期ライプニッツにおける「衡平」概念
ライプニッツの自然法三段階説
ライプニッツにおける形而上学と政治哲学―正義論としての『モナドロジー』とその射程)
第5部 ライプニッツにおける神学―正義論を展望しつつ(『モナドロジー』最終部にみる神学思想のイムパクト)
補遺 ライプニッツ研究の現在
著者等紹介
酒井潔[サカイキヨシ]
1950年京都市に生まれ、東京都で育つ。1974年京都大学文学部哲学科(哲学専攻)卒業。1978~1981年フライブルク大学留学。1982年京都大学大学院文学研究科哲学専攻博士課程修了。文学博士(京大)。日本学術振興会奨励研究員、京都女子大学専任講師、岡山大学文学部哲学科助教授を経て、1995年より学習院大学文学部哲学科教授。現在、日本ライプニッツ協会会長、実存思想協会理事、比較思想学会理事等(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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