内容説明
数学者フッサールを哲学者に変えた数学論上の問題を現象学発生の問題背景として取り出し、フッサールが最終的に現象学という新しい哲学を創始するに至る過程を辿り、その現象学的方法論によりいかなる数学論が得られるかを提示する。未公刊の草稿やノートなども精査し、数学的対象の直観的把握を巡る問題から、ヒルベルトやブラウアーとの関係も明らかにしつつ、後期フッサールも含めた「フッサール数学論」の全体像を解明し、現象学・数学論に新たな展望を示す。
目次
第1部 ヴァイアーシュトラス・プログラムからの課題―フッサール現象学創設前史(解析学の算術化の運動(ヴァイアーシュトラス・プログラム)
なぜ「抽象」でなければならないのか―カントル、フレーゲ、フッサール
十九世紀数学における「存在論的革命」と現実的無限)
第2部 フッサールの現象学創設の過程(出発点としての『算術の哲学』;『算術の哲学』直後の展開;抽象とは何か―『論理学研究』における現象学的枠組みの発生;現象学的対象観の完成;ヴァイアーシュトラスへの解答―数学的対象の認識論)
第3部 数学の現象学の展開(公理的手法の受容と「多様体」概念の発生;対象の「構成」と間主観性―発生的現象学の道具立ての導入;ヒルベルトへの解答とフッサール的数学世界;実数の構成と排中律の問題;技術から生まれた数学―生活世界からの数学的対象の発生;フッサール数学論の位置づけと意義)
著者等紹介
鈴木俊洋[スズキトシヒロ]
1968年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻博士課程修了。博士(学術)。現在、上智大学理工学部ほか非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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