出版社内容情報
近代哲学の創始者デカルトの思想体系を近現代哲学との対比において捉えなおし,近代以降の学問全体への見通しを示したその射程から,デカルト哲学の今日性を探る。
内容説明
近代哲学の創始者・デカルトの思想体系を近代哲学との対比において捉えなおし、近代以降の学問全体への見通しを提示したその知的眺望の射程と規模の雄大さを確認しつつ、「西欧近代思想批判」の再検討を迫る。生誕400年を期してデカルト哲学の今日性を探る。
目次
1 鼎談―野田又夫先生を囲んで(湯川佳一郎;野田又夫;小林道夫)
2 デカルト哲学の体系
3 デカルトと近代哲学
4 デカルトと現代哲学
5 デカルト哲学は乗り越えられたのか―現代のデカルト批判をめぐって
6 一つの第一原理から他の第一原理へ―「コギト」の「我」と神の誠実との間のデカルト
感想・レビュー
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うえ
8
「サルトル思想は主体性の哲学としてデカルトの系譜に属すと見做され、サルトル自身それを裏づけるような発言をしばしばしている。「私がフランス人から受けた影響は僅かです。私の精神に深く働きかけた唯一の人物はデカルトです。私は彼の系統に属し、フランスに残されているこの古いデカルト的伝統を拠りどころにしようと思うのです」と…インタビューで述べているように、二十代の学会発表以来、晩年にいたるまでコギトの哲学者の名前はサルトルのテクストに頻出する…サルトルのデカルト解釈に関する議論はコギトの問題を中心に展開されてきた」2019/06/13