出版社内容情報
現代の視座からカント・ヘーゲル哲学を考察し,その倫理.社会思想の展開と可能性を追求。編者に加え,石川文康・松山寿一・荻間寅男・星野勉・多田茂・他が執筆。
目次
第1部 カント批判的方法の地平(遠近法主義の哲学―カントにおける共通感官と他者の問題;引力‐斥力説と単子論―カント『自然単子論』の一解釈;ニュートンとカント―自然哲学と自然学;真理と伝達―超越論的論理学における〈確信〉の構造;カントの意味論―判断の有意味性の地平としての超越論的図式論)
第2部 カント倫理学の展開(カントの〈善意志〉とは何か;純粋理性の批判と現代―理性の法廷をめぐる司法モデルと立法モデル;良心の法廷モデル;定言命法の体系―法と倫理の道徳的基盤;カント『法論』における内的完全義務―ヴォルフ、クルージウスとの対比)
第3部 ヘーゲル思想の形成(承認をめぐる闘い―イエナ期ヘーゲルのホッブズ自然法論への対応;若きヘーゲルにおける概念と全一論;ヘーゲル良心論の位相―フィヒテを視野におさめて;イエナ初期ヘーゲルにとっての批判と哲学;ヘーゲルにおける啓蒙と教養;フーコーにとって「啓蒙とは何か」―「生存の美学」としての哲学)