出版社内容情報
ドイツ哲学衰退期の歴史にあえてターゲットを絞り、ヘーゲルとハイデガーの間の哲学的空白という広く共有された信念、その結果として新カント学派に下された認識論への還元主義という一面的な評価、生の哲学がおよぼした絶大な影響力の忘却など、現代のかたよった哲学的認識に再考をうながす。「問題史」的構成によって近現代ドイツ哲学へのパースペクティブを与えてくれる必読の基本文献。
【目次】
ドイツ語版への序言
凡例
プロローグ
一節 時代区分
二節 方法
三節 「観念論」
四節 テーマの概観
一章 時代の概観
一節 政治史
二節 社会史
三節 ドイツ文化に関する所見
四節 大学─教養─学問
一 フンボルト大学
二 制度的規制
三 「研究と教育の統一」とは何か
四 「学問を通じた教養」から「職業としての学問」へ
五 ドイツの大学、教養、学問の「失敗」について
二章 歴史
一節 歴史主義
一「歴史主義」
二 ?史主義的啓蒙と歴史的意識
三 歴史主義の二つの段階
二節 「……?史哲学の拒否」
一 歴史哲学への批判
二 歴史学派の歴史哲学について
三 歴史の統一性?
三節 歴史の合理的批判
一 ドロイゼンの史学論
二 ディルタイにおける精神科学の基礎づけ
三 歴史の超越論哲学
四節 歴史からの離反
一 歴史科学に対するショーペンハウアーの攻撃
二 ニーチェの歴史的教養批判
三 「歴史哲学との訣別?」
三章 学問/科学
一節 学問/科学の役割変化
二節 学問/科学の構造変化
一「学間史について」
? 諸学部の構造
? 自然科学
? 補説――ロマン主義的‐観念論的自然哲学
二 学間/科学の動態化
? 経験主義化
? 時間化
三節 哲学と学問
一 科学としての哲学
二 哲学としての科学
三 批判としての哲学
四 哲学の復権
四章 理解
一節 問題
二節 一般解釈学(シュライアーマッハー)
三節 解釈学と史学論(ドロイゼン)
四節 「生の客観態の解釈」(ディルタイ)から「現存在の解釈学」(ハイデガー)へ
一 ヴィルヘルム・ディルタ