出版社内容情報
医学の基礎をなす認識論上の問題を哲学・心理学・生物学・社会学等の広範な視野から検討し,生命科学の意味を根底から問う。科学批判の認識論の立場から生命科学の根本問題を問いなおし、生命を物理・化学現象に解消させる機械論を徹底的に批判しつつ、正常と病理の概念を「生命に内在する規範」をもとに定義しなおして、現代医学・生命科学はもとより、科学哲学に新たな展望をひらく。エピステモロジーの古典的名著にしてフランス現代思想のオリジンとして必読書!
??緒言
? 正常と病理に関するいくつかの問題についての試論(1943年)
第二版の序
序論
第一章 病理的状態は、正常な状態の量的変化にすぎないか?
? 問題への導入
? オーギュスト・コントおよび《プルセの原理》
? クロード・ベルナールおよび実験病理学
? ルリッシュの考え
? 理論の意味
第二章 正常と病理の科学は存在するか?
? 問題への導入
? いくつかの概念の批判的検討
――正常と病理および病気、正常なものと事件的なもの
? 規範と平均
? 病気、回復、健康
? 生理学と病理学
結論
? 正常と病理に関する新考(1963年―1966年)
二十年後
社会的なものから生命的なものへ
人間の有機的規範について
病理学における新しい概念――《誤謬》
結語
原註
訳註
訳者あとがき
人名牽引
文献目録
参考文献一覧
ジョルジュ・カンギレム[カンギレム ジョルジュ]
(Georges Canguilhem)
1904年フランス西南部のカステルノダリーに生まれる。ソルボンヌで哲学を、ストラスブール大学で医学を修め、バシュラールに師事して科学哲学研究者の道を歩む。バシュラールの後任としてパリ大学科学史・技術史研究所長をつとめ、1955年から71年までソルボンヌの教壇に立ち、科学史・科学哲学を講じた。科学哲学、医学、生物学にわたる深い学殖をもとに、概念の生成を歴史的に究明し、アルチュセール派、ラカンの後継者たち、さらにはフーコー、ダゴニェ、ブルデュー、セールらに大きな影響を与えた。1995年死去。邦訳書に、本書『正常と病理』、『生命の認識』、『反射概念の形成』、『科学史・科学哲学研究』、『生命科学の歴史』(以上、法政大学出版局)がある。
滝沢 武久[タキザワ タケヒサ]
1931年東京生まれ。東京大学教育学部教育心理学科卒業。電気通信大学教授、大妻女子大学教授を経て、電気通信大学名誉教授。2015年死去。著書に、『知能指数』(中公新書)、『認知発達の心理学』(白水社)、『子どもの思考力』(岩波新書)、『子どもの思考と認知発達』(大日本図書)、訳書に、ピアジェ『心理学と認識論』(誠信書房)、ピアジェ『思考の誕生』(朝日出版社)などがある。
目次
1 正常と病理に関するいくつかの問題についての試論(一九四三年)(病理的状態は、正常な状態の量的変化にすぎないか?;正常と病理の科学は存在するか?)
2 正常と病理に関する新考(一九六三年‐一九六六年)(二十年後…;社会的なものから生命的なものへ;人間の有機的規範について;病理学における新しい概念―“誤謬”;結語)
著者等紹介
カンギレム,ジョルジュ[カンギレム,ジョルジュ] [Canguilhem,Georges]
1904年フランス西南部のカステルノダリーに生まれる。ソルボンヌで哲学を、ストラスブール大学で医学を修め、バシュラールに師事して科学哲学研究者の道を歩む。バシュラールの後任としてパリ大学科学史・技術史研究所長をつとめ、1955年から71年までソルボンヌの教壇に立ち、科学史・科学哲学を講じた。科学哲学、医学、生物学にわたる深い学殖をもとに、概念の生成を歴史的に究明し、アルチュセール派、ラカンの後継者たち、さらにはフーコー、ダゴニェ、ブルデュー、セールらに大きな影響を与えた。1995年死去
滝沢武久[タキザワタケヒサ]
1931年東京生まれ。東京大学教育学部教育心理学科卒業。電気通信大学教授、大妻女子大学教授を経て、電気通信大学名誉教授。2015年死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
nranjen
ポカホンタス