出版社内容情報
日本の思想とは何か。古代国家の誕生、記紀万葉の成立から江戸国学の生成、西洋近代の受容から大戦をへて今に至るまで、この国の人々の生と死と愛の根底を貫いてきたものは何だったか。西洋哲学と東洋的論理の両者に通じる著者が、物語、理性、神話、理念、文芸、性愛、仏法の各主題から、私たちを統べる情と理の働きをいかなる幻想もなしに照らし出す。ものごとに即して思索しうるための必読書。
【目次】
第一章 ものがたり論
1 客観史学への志向
2 物自体の不確定性
3 過去そのものの非在
4 ものがたりとしての歴史
第二章 理性論
1 坂田三吉対AI
2 ヘーゲル的理性主義
3 理性的愛
4 理性の限界
第三章 神話論
1 レース・プーブリカという理念
2 夢と神話
3 国家のものがたりとしての神話
4 人権神話
第四章 理念論
1 論理実証主義の言語哲学
2 言語の一次元への限局
3 理想論的自由
4 永遠平和
第五章 文芸論
1 歌の伝統
2 国学の文芸観
3 文芸の自律性
4 沈黙の豊潤
第六章 性愛論
1 「恋」の原義
2 「一」性の真義
3 逸脱行為の生物学的問題性
4 売春の権利?
第七章 仏法論
1 日本仏法の「日本」
2 無我の思想
3 大乗の論理
4 純粋浄化作用としての浄土
5 情性の理
あとがき
内容説明
本論考の目的は、思想や文芸が発起する人間的情意の原処の風光を、いくつかの視点からまなざすことにある。それは、つまるところ、理と情、すなわち推論能力たる理性と、感受能力としての情性とが、いかなる形でない合わされるのかを問うことに帰結するであろう。純理的な思想や文芸など、この現実世界にありうべくもない。純粋に情的な思想や文芸も成り立たない。(…)けれども、理性の限界がたとえあらわに示されようとも、人間という生きものは、みずからの無力さの前に呆然とたたずんだりはしない。人間は、理性の限界を乗り超えるための言語的手段を心得ている。その手段とは、神話(ミュトス)という、一見古めかしく見えて実はいつも新しい「ものがたり」の創出にほかならない。
目次
第一章 ものがたり論
第二章 理性論
第三章 神話論
第四章 理念論
第五章 文芸論
第六章 性愛論
第七章 仏法論
著者等紹介
伊藤益[イトウススム]
1955年京都市生まれ。1986年筑波大学大学院博士課程哲学・思想研究科修了(文学博士)。淑徳大学助教授、同教授、筑波大学哲学・思想学系教授などを経て、筑波大学名誉教授。主要著書:『ことばと時間―古代日本人の思想』(大和書房、日本倫理学会和辻賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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