内容説明
グローバルに進行する生活世界の経済的収奪や大規模な環境破壊、生の地平の喪失を前にして、哲学に何ができるのか。東日本大震災と原発事故という未曽有の危機によって、学問の存在意義や科学技術の有効性が問い直されるなか、これからの社会と学問文化がどのようにして持続可能かを批判的に模索する試み。哲学研究者としてのみならず、生活者の視点からの処方箋を示す。
目次
グローバル化時代の哲学の課題
文化哲学研究と人間性の危機
心の哲学と生の抑圧
理性の必要の感情と生の地平
世界市民主義とポストコロニアル理性批判
理性批判の二つの機能
普遍主義と相対主義の狭間
ディルタイと歴史的理性批判の射程
歴史のなかの実存の物語
抵抗と実存
永遠平和と税の正義
持続可能性の哲学の構想
著者等紹介
牧野英二[マキノエイジ]
1948年8月9日生まれ。法政大学文学部教授(文学博士)。哲学・倫理学・感性学。日本カント協会会長・日本ディルタイ協会会長・韓国日本近代学会常務理事・日本哲学会理事・日本倫理学会評議員・実存思想協会理事等を歴任。社会活動では、埼玉県入間郡毛呂山町および埼玉県毛呂山・越生・鳩山の複数の審査会会長等を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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