出版社内容情報
全八巻が今年三月末に全巻完結した。七八年に第一巻「彗星雑考」が出て以来だから、足かけ二十年の仕事になる。最終巻の第八巻を本屋の店頭で見てびっくりした。菊判で、厚さ十一センチ(二分冊)、持ってみると、重さ三.四キログラムもある.....。(立花隆『ぼくが読んだ面白い本・ダメな本 そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術』 169頁、より)
内容説明
「福音の道徳をふみおこなう社会はたちまち滅びる」―シニカルな逆説をかかげ、非宗教的な道徳の樹立、福音と現実世界の切断を徹底的に追求した晩年の代表作。諸々の伝承・迷信、「万人一致」の権威、占星術の虚妄、一神教と多神教、無神論者と偶像教徒の比較、宗教なき民族の存在等々が詳細に論議される。
目次
この続・彗星雑考ではいかなる順序に従うか
詩人の資質は歴史家の資質とよく一致しうるや否や
ティトゥス・リヴィウスとプリニウスのための弁解
賛同者の数の多さは真理のしるしにあらざること
諸民族が一致して神格を認むるは、神が存在する確かな証拠なるや否や。キケロの某書にて、エピクロス派のヴェレイウスはこの証拠をいかなる形で提示せしや
ヴェレイウスの論拠にコッタの答えしこと、またその回答に付け加ええしはずなること
諸民族の一致は神の存在につき極度にもてはやされしこと
前章で紹介せるくだりについての考察
風評の権威をめぐる考察〔ほか〕