出版社内容情報
先史考古学,動物行動学から宇宙論におよぶ広範な視野から人類と時間・空間とのかかわりの歴史を跡づけ,時空認識の拡大と深化が文明化に果たした役割をさぐる。
内容説明
人類はどのようにして文明を築き、どこへ向かおうとしているのか―動物行動学、生態学、先史考古学から宇宙論におよぶ広範な視野から人類と時間・空間とのかかわりの歴史を跡づけ、時空認識の拡大と深化が文明化に果たしてきた絶大な役割を検討しつつ、宇宙的規模にまで拡大された人類文明の根拠と未来像を探る。平易な語り口で諸科学の最新の成果を語り、宇宙における人間の位置を解明する。
目次
動物生態学から人類史へ
文字以前の社会における空間
文字以前の社会における時間
文明と、空間の拡大
文明と、歴史的時間の深化
進化と、世界の先史時代
地球外の空間と時間
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
MIRACLE
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本書は、先史学者である筆者が、人間が空間と時間への認識を深めてきた歴史をまとめた本だ。動物の生態、文字以前・以後、年代測定技術の発展、宇宙、の順にあつかっている。筆者は、序文で、空間と時間の双方をあつかった本書を、例のない試みだ、とのべている。しかし、いくつかの重大な欠陥があった。まず、空間・時間についての定義がないこと。そのことで、議論の構成に矛盾がある。つぎに、文字の出現以後の空間の拡大は、人間ではなく、西欧人のそれとほぼ同義であること。先史学の知見が興味深いだけに、残念だ。2013/12/27