出版社内容情報
世界最古の文明を築き担った人びとの宗教感情,神の概念,宇宙観,祭祀のかたちを,資料の有機的な結合によって再構成するとともに,旧約聖書への影響におよぶ。
内容説明
アッシリア学の第一人者が、初期の代表作『バビロニアの宗教』を、刊行後45年間の研究成果を踏まえて全面的に改訂・増補した最新作。世界最古の文明を築き担った人びとの宗教感情、神の概念、宇宙観、祭祀のかたちを、資料の有機的な結合によって再構成するとともに、メソポタミア文明消滅後の拡散と旧約聖書への影響にもおよぶ。
目次
メソポタミアで生まれた最古の宗教
宗教一般と諸宗教
メソポタミアとその歴史
研究資料と期待される成果について
宗教感情
宗教的具象表現
宗教的振る舞い
影響と残照
著者等紹介
ボテロ,ジャン[ボテロ,ジャン][Bott´ero,Jean]
1914年、南フランスのニース近郊に生まれる。はじめカトリック・ドミニコ会修道院付属の神学校で聖書学、哲学等を修めるが、やがてパリ国立高等研究院のR.ラバット教授の指導のもとにアッカド語、メソポタミア文献・歴史学を学び、フランス国立科学研究機関研究員を経て1958年よりパリ国立高等研究院教授
松島英子[マツシマエイコ]
1948年生まれ。東京芸術大学美術学部芸術学科、同大学院において美術史を専攻した後、フランス政府給費留学生としてパリ国立高等研究院においてアッシリア学を学ぶ。富山大学助教授、中近東文化センター研究員を歴任。前中京女子大学人文学部教授
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感想・レビュー
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takao
4
シュメール人が文明をもって海洋から上陸したらしい。その後、シュメールはメソポタミアに取り込まれてしまった。 p.20 遅くとも三千年紀末以降、メソポタミアで純粋なシュメール人の姿は実質的に見られなくなり、セム系であるアッカド人がとってかわった。ただ、文字としてはシュメール語が使われつづけた。 (著作)バビロンとバイブル けだ書庫227.3B66、メソポタミア2016/12/27
Koning
1
アッシリア学者に寄る古代メソポタミアの宗教を一般向けに概説した一冊。10年前の本だが根本から変わってしまったような事はなく、今でも十二分に有用な一冊と言える。巻末の文献一覧に並ぶ洋書の中には版権が切れてネット上で閲覧できるタイトルもあるし、重要な単語はトランスリテレーションがしっかり書かれているので本気の次の一歩への橋渡しにもなってくれる。著者がドミニコ会出身で聖書学者でもあるのでメソポタミアの宗教が如何にヘレニズム世界やキリスト教に受け継がれたかも書かれていてたのしい。