出版社内容情報
非ユークリッド幾何学の展開から生物学,社会学,美術,文学における空間認識の変貌,さらには遠近法主義の哲学までを論じ,伝統的空間への攻撃の歴史を跡づける。
内容説明
上巻『時間の文化史』につづいて、本巻では「形状」「距離」「方向」の位相を軸に、哲学や科学・芸術における伝統的形状の破壊、私的空間の公的空間による侵害、世界の狭小化による国際主義の機運と植民地主義の膨張、上下軸の方向感覚の誕生などが取り上げられる。さらに、上下巻を通じて論じられてきた時間・空間認識の変容が収斂したものとして第一次世界大戦を位置づけ、開戦にいたる経緯と戦闘形態の新しさを明らかにする。あらゆる文化現象を時間・空間の機能としてとらえる壮大な試み。
目次
第1章 空間の性質
第2章 形状
第3章 距離
第4章 方向
第5章 七月危機の時間性
第6章 キュビズムの戦争
結論
著者等紹介
カーン,スティーヴン[カーン,スティーヴン][Kern,Stephen]
1943年、ロスアンジェルスに生まれる。1964年、バークレイのカリフォルニア大学で歴史学の学士号を取得。1966年から70年にかけてコーネル医科大学の精神医学史研究班に所属、学位論文「フロイト幼児心理学の出現―1880‐1910」を執筆。1970年、コロンビア大学で歴史学の博士号を得る。同大学の歴史学指導教官を経て、現在、ノーザン・イリノイ大学で歴史学の助教授を務める
浅野敏夫[アサノトシオ]
1947年に生まれる。茨城大学文理学部英文学科卒業。現在茨城キリスト教大学短期大学部教授。現代アメリカ文学専攻
久郷丈夫[クゴウタケオ]
1956年に生まれる。明治学院大学大学院博士課程前期課程文学研究科修了。元・シオン短期大学助教授。英語学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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