出版社内容情報
文豪ゲーテは古代の叡智を継承し、永遠の生命を肯定する精神的修練の達人だった。ギリシャの哲学からニーチェへと受け継がれる系譜にゲーテを位置づけ、〈現在〉の瞬間への集中、〈高みからの眼差し〉を通じた世界の俯瞰、詩篇「始源の言葉」の〈希望〉、〈運命への愛〉という四つの主題から鮮やかに読解する。机上の理論でも象牙の塔でもなく、生き方の指針となる哲学を称揚したアドによる人生の書。
【目次】
序
Ⅰ 「現在こそ、私が崇拝する唯一の女神です」
1 ファウストとヘレナ
2 現在、労働、そして理念的なもの
3 牧歌的なアルカディア
4 無意識の健康か、獲得された明朗さか?
5 現在をめぐる哲学的経験
6 ゲーテにおける古代哲学の伝統
7 ゲーテにおける、現在、瞬間、あること
Ⅱ 高みからの眼差しと宇宙旅行
1 瞬間と高みからの眼差し
2 古代における高みからの眼差し。山の頂きと想像上の飛翔
3 古代の哲学者における高みからの眼差しの哲学的意味
4 中世ならびに近代の伝統
5 ゲーテにおける高みからの眼差しのさまざまな形態
山の頂きと、革新の経験
山の頂きと宇宙的経験
鳥の飛翔、気球と詩
リュンコイス、あるいは純粋な熟視者
「地上を飛び回る霊」 瞑想と行為
6 ゲーテ以降の高みからの眼差し
7 空中旅行者(Aeronautes)と宇宙旅行者(Cosmonautes)
Ⅲ 希望の翼 始源の言葉
1 ダイモーン、テュケー
2 ダイモーン、テュケー、エロース、アナンケー、そしてエルピス
3 人間の運命
4 自伝的側面?
5 カドゥケウス
6 エルピス、希望
Ⅳ 生と世界への「然り」
1 生きてあることの歓び(Freude des Daseins)は大きい
2 生きてあることそれ自身に覚える歓び(Freude am Dasein)はさらに大きい
3 生成と恐るべきものへの 「然り」
4 ゲーテとニーチェ
結び
訳者あとがき
訳註
原註
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