出版社内容情報
19世紀末~20世紀初頭、パリと並んで西洋の学芸の中心地であると同時に、反ユダヤ主義の温床ともなったウィーン。オーストリア国家を自殺に追いやり、絶滅収容所体制へと直結したナチスドイツによる「合邦」はなぜ、いかに仕組まれ、国民から歓呼で迎えられたのか。フロイトをはじめとする多数の思想家、芸術家そして政治家らの動向を詳細に跡づけ、この時代全体をパノラマで描ききった歴史ドラマ。
内容説明
知識人、政治家、民衆は侵略にどう処したか。19世紀末~20世紀初頭、パリと並んで西洋の学芸の中心地であると同時に、反ユダヤ主義の温床ともなったウィーン。オーストリア国家を自殺に追いやり、絶滅収容所体制へと直結したナチスドイツによる「合邦」はなぜ、いかに仕組まれ、国民から歓呼で迎えられたのか。フロイトをはじめとする多数の思想家、芸術家として政治家らの動向を詳細に跡づけ、この時代全体をパノラマで描ききった歴史ドラマ。
目次
1 合邦、追放、閉鎖
2 変わらないウィーン
3 ユダヤ人の不在
4 盗まれた共和国
5 魂の小説
6 フロイトの世界
7 フロイトという男とモーセの神話
8 ウィーンをめぐるヒトラーの嘘
9 冬季大会
10 命取りとなった春の夜
11 名前のない国
12 無慈悲に
13 名誉囚人シューシュニック
14 ウィーンのレクイエム
15 ドイツ的な変身
16 切断された履歴
17 トランジット
18 フロイト、去る
19 ロンドンでのエピローグ
20 記憶の痕跡
著者等紹介
フリュッゲ,マンフレート[フリュッゲ,マンフレート] [Fl¨ugge,Manfred]
1946年、デンマークに生まれる。ミュンスター大学とリール大学でロマンス語・文学と歴史学を学ぶ。1976年から90年までベルリン自由大学で講師を務め、1981年に教授資格を取得。その後、ベルリンで作家活動を続ける
浅野洋[アサノヒロシ]
1950年、千葉県に生まれる。慶応大学独文科卒。日本翻訳家協会事務局長・理事、埼玉女子短期大学名誉教授。オーストリア世紀末文学、ナチス時代の亡命文学を専攻。主な著書、訳書として、『異文化から学ぶ文章表現塾』『就活女子の文章表現塾』(以上、新水社、共著)、J.ゼルケ『ヨーロッパはプラハで死んだ』(新水社、日本翻訳出版文化賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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