出版社内容情報
近代ヨーロッパの医学と哲学を根源的に批判することを通じて、構築を目指した「医学的人間学」とは何か。その人間学を理論的に根拠づける「ゲシュタルトクライス」とは何か。修業時代のさまざまな出会い、同時代の思想家たちとの人的交流から、彼独自の医療実践がどのように形成されていったのか赤裸々に物語られる。二度の世界大戦を生き抜いたドイツの医者哲学者による自伝的告白の書。
内容説明
生理学者クリース、内科医クレールという二人の師との出会い、フロイトとの対話、ヴィンデルバントのもとでのカント研究。そしてシェーラー、ローゼンツヴァイク、カール・バルト、ブーバーなど同時代の思想家との深い交流。ドイツの医者哲学者ヴァイツゼカーが「医学的人間学」を構想し、「ゲシュタルトクライス」の理念を成熟させる背景にあった物語を綴る、自伝的告白の書。
目次
自然と精神―ある医師の回想(ヨハネス・フォン・クリース;西南ドイツ学派の哲学;ルードルフ・クレール;内科学;神経学 ほか)
出会いと決断(第一次世界大戦後;市民的教養世界の姿勢;一つにすることと分けること;心理学的な立場;キリスト教の教えとキリスト教的な生き方 ほか)
著者等紹介
ヴァイツゼカー,ヴィクトーア・フォン[ヴァイツゼカー,ヴィクトーアフォン] [Weizs¨acker,Viktor von]
1886年ドイツの著名な学者、政治家の家系に生まれる。1904年テュービンゲン大学医学部入学、のちフライブルクやハイデルベルクで神経生理学・哲学・内科学を学ぶ。11年医師免許と博士学位を取得。20年ハイデルベルク大学医学部附属病院神経科部門長、のち正教授。26年フロイトとの知遇を得たのち、ゲシュタルトクライスの理念と医学的人間学の構想を具体化していく。41年ブレスラォ大学神経内科学教授。45年野戦病院を各地に撤退させるも米軍捕虜として敗戦を迎える。46年ハイデルベルク大学医学部附属病院「臨床医学総論」講座教授。51年パーキンソン病発症、57年死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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