内容説明
二十世紀の歴史に癒しえぬ傷を残した数々の大量虐殺のあとで、哲学は「悪」をどう語りうるのか。カントが創出した「根源悪」の概念を軸に、人間が罪悪を犯す可能性や必然性を熟考した思想家の系譜―ヘーゲル、シェリング、ニーチェ、フロイト、レヴィナス、ヨーナス、アーレント―を鋭く一望する。弁神論による「悪」の正当化が困難な今日、倫理の根源を問い質す碩学の労作。
目次
第1部 悪、意志、自由(根源悪―自分自身と戦うカント;ヘーゲル―“精神”の治癒?;シェリング―悪の形而上学)
第2部 悪の道徳心理学(ニーチェ―善悪の彼岸;フロイト―根絶不可能な悪と両価性)
第3部 アウシュヴィッツ以後(レヴィナス―悪と弁神論の誘惑;ヨーナス―新しい責任の倫理;アーレント―根源悪と悪の陳腐さ)
著者等紹介
バーンスタイン,リチャード・J.[バーンスタイン,リチャードJ.][Bernstein,Richard J.]
1932年生まれ。ペンシルヴァニア大学、マサチューセッツ工科大学などを経て現在はニュー・スクール・フォー・ソーシャル・リサーチに所属。主としてプラグマティズムを研究するが、ヨーロッパ大陸の哲学にも造詣が深い。今は亡きリチャード・ローティの思想的盟友としても知られる
阿部ふく子[アベフクコ]
1981年生まれ。日本学術振興会特別研究員(新潟大学)
後藤正英[ゴトウマサヒデ]
1974年生まれ。佐賀大学准教授
齋藤直樹[サイトウナオキ]
1970年生まれ。盛岡大学准教授
菅原潤[スガワラジュン]
1963年生まれ。長崎大学大学院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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sayan
ラウリスタ~
Nemorální lid
飴玉
砂糖 翠