出版社内容情報
ヘーゲル右派,新カント派,一元論的実証主義の政治哲学を検討し,それらの啓蒙主義的政治思想が世界大戦期の政治的イデオロギーに巻き込まれていく経緯を考察する。
内容説明
ヘーゲル右派、新カント派、一元論的実証主義の政治哲学を検討し、それらの啓蒙主義的政治思想が公共的政治意識からの疎外と政治的現実からの孤立をまねき、世界大戦期の政治的イデオロギーに巻き込まれていく経緯を思想史的に考察する。
目次
序章 政治哲学とイデオロギー
第1章 ヘーゲル右派の政治理論
第2章 新カント派社会主義
第3章 「科学的世界観」による世界改良
第4章 1914年の哲学的理念
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てれまこし
5
政治哲学の対象は永遠の真理ではない。その意義は時代の政治的現実への参与にある。そのような哲学がイデオロギーから一線を画するのは、現実からの適当な距離である。この意味では、現状維持の最悪の形而上学と思われたヘーゲルとその弟子たちこそが現実と理想とのバランスを保っていた。ヘーゲル左派(マルクスも含む)や自然科学者の唯物論は、哲学を歴史に吸収したり、科学を歴史的現実から分断してしまった。ヘーゲルを批判的に継承した新カント派は、学界を越える影響力をもちえなかったが、乖離する哲学と現実との媒介を試みる政治哲学だった2019/03/09
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