出版社内容情報
善悪二原理がこの世において鎬を削る戦場としての人間,その創造と堕落をめぐって展開された,西欧思想史上注目すべき〈根源的二元論〉の構造と意義を解き明かす。
内容説明
中世ヨーロッパの二元論思想。異端カタリ派の基本教義書および関連文献の克明な解読・分析を通じて、善悪二原理がこの世において鎬を削る戦場としての人間、その創造と墜落をめぐる執拗な思考により、西欧思想史上最も豊かな無と悪の論理を展開した「根源的二元論」の構造と隠された意味を解き明かす。
目次
第1章 『ヨハネによる福音書』とカタリ派の読解
第2章 カルカッソンヌのバルトロメの『カタリ派教義書』―アウグスティヌスとカタリ派の教義
第3章 ヨハネス・デ・ルギオの形而上学と作者不詳『二原理の書』
第4章 根源的二元論の教義―カタリ派の人間像とその倫理