出版社内容情報
ボードレール,フロベール,スタンダール,ツルゲーネフらの生涯と作品を論じ,19世紀中・後期の精神史的位相,心理と知性のドラマを捉えた近代批評の記念碑。
内容説明
ボードレール、フロベール、スタンダールら作家の感性と世界観、その美学と文章技法を論じて、同時代の心理と精神の位相を見事に捉えた、近代批評の記念碑的傑作。
目次
シャルル・ボードレール(恋愛における分析精神;デカダンスの理論)
ギュスターヴ・フロベール(ロマン主義について;芸術理論)
スタンダール(人物;行動における分析精神)
イワン・ツルゲーネフ(コスモポリタニズムについて;ペシミズムと情愛)
アンリ・フレデリック・アミエル(ゲルマン精神の影響;意志の病い)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
林 一歩
17
近代美術をダークな視点で論じたものは無いかしらと、彼是図書館で見繕ってます。割と落ち着いた心境で無いと読み進められない類の本ですが、一晩でサクサク読めたのは、論点整理なされた内容である事と、私が心穏やかになっていたことだと思料。面白かった。2014/05/03
nranjen
3
今はほとんど読まれない、研究する人もほどんどいないポール・ブールジェは前世紀末と今世紀はじめ、絶大な影響力をもち、評価されていた作家。多くの作家たちに影響を与えたとされているこの本が翻訳されているなんて、とても素晴らしいことだ。しかしながら、私的に、正直にいうと、本当に読みにくい。訳が悪いというわけではない。著者が言っていることが、著者の論述の仕方も、何か遥か遠くに隔たっていながら、密度は非常にあるのだ。当時の知のあり方や、当時の知識人的考え方なのかもしれない。ひょっとしてブールジェの個性なのかもしれない2020/07/11