出版社内容情報
現代文明の負の証人・シオランによる異色のアフォリズム集。死と虚無への挑戦を〈普遍的な無益さ〉として語り,〈日々の啓示〉によって人々を勇気と歓喜へと誘う。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
双海(ふたみ)
10
『時間の失墜』から15年後に刊行されたもの。現代文明の負の証人・シオランによる異色のアフォリズム集。死と虚無への挑戦を〈普遍的な無益さ〉として語り、〈日々の啓示〉によって人々を勇気と歓喜へと誘う。シオランにとって自身の思想とは宿痾のようなものであった。2025/03/08
抹茶ケーキ
1
フランスの文筆家のエッセイとアフォリズム。後半のアフォリズムが好き。ひたすら暗いところがとくに。「希望を抱くという奇跡からいやされぬかぎり、私たちは奴隷であり、奴隷であり続けるだろう」(123頁)/「オプティミズムの発作に見舞われると、私は自分にいって聞かせる、わが人生はひとつの地獄、わが好みの、わが地獄であったと」(145頁)/「私たちはどんなに進歩したところで、人間であるという低劣さを、というか人間であったという低劣さをどこまでも引きずっているのである」(155頁)2017/02/23
ミディアム抹波
1
「老いとは、要するに生きたことに対する懲罰にほかならぬ。」 人生を肯定しない考え方ほど優しいものはないと思った。2016/05/15