出版社内容情報
M. モースとともに、オーストラリア、アメリカの先住民および中国の原初的分類体系を分析し、今日の構造人類学などに多大な影響を与えた古典。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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8
本書にはデュルケーム「トーテミズム論」とデュルケーム+モース「分類の若干の未開形態について」の2論文が収められる。前世紀初頭のアメリカとオーストラリアのトーテミズム資料を検討する著者たちは、未開状態に西欧近代の科学の基本概念にある類(classe)に分ける思考の存在を見出す。この主張はレヴィ=ブリュルの融即の法則(別々のものを結合して同一とみなす未開社会の心性)への批判をなす。本書では、自我を基点として対象と対立関係を作る西洋に比べて、未開社会では物的、社会的、宗教的関係が平行関係を作ると構造的に捉える。2024/02/22