内容説明
近世経済社会において、人びとは生産に工夫を凝らし、物流を担い、消費生活を向上させていった。そこには、都市と村々、農村と漁村などを相互につなぐヒト・モノ・カネ・情報のネットワークがあった―。食料と肥料、水産物、衣服・酒・煙草等の嗜好品、書物や文房具など、具体的な「モノ」の移動に着目し、その生産・流通・消費のありようを一貫して把握。環境・資源・生態系との対話により編み出された技術や生業の複合性にも着目し、近世の人びとの多種多様な生活をリアルに描き出す。
目次
第1部 食料と肥料(関東主穀生産地帯における米の生産・流通と消費の諸相;関東内陸農山村における魚肥の消費・流通と海村との交易 ほか)
第2部 衣料と嗜好品(近世の百姓と衣服;近世後期における酒の生産・流通・消費―東総沿岸地域を中心に ほか)
第3部 書物と文房具(上総国における書籍流通拠点の成立―江戸時代の東金書肆多田屋;江戸の消費文化と文房具 ほか)
第4部 水産資源と環境(近世における水産資源変動と山林・獣害―豆州内浦を事例として;近世における網漁の展開と生態利用―房総半島東岸の地曳網漁を事例に ほか)
第5部 山間の村の暮らし(徳島藩領下の山村と「上毛」生産;年中行事に見る山間村落の社会構造―阿波国名西郡上山村上分粟飯原家を事例に)
著者等紹介
渡辺尚志[ワタナベタカシ]
1957年生まれ。一橋大学大学院社会学研究科教授。専門は日本近世村落史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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