内容説明
清少納言はなぜ『枕草子』を書いたのか―。中宮定子への忠誠心とはいかなるものだったのか―。紫式部とは仲が悪かったのか―。多彩な史料・文献を駆使して、幼少時代、恋愛と結婚、宮廷生活、長徳の変の伊周と高階道順の逃亡への関与、晩年の隠棲地のほか、『枕草子』の成立と享受について14の新見解を提示し、その波乱に満ちた生涯と人物像に迫る。和歌・漢文日記等に読みやすい現代語訳、専門用語に注記を付した。
目次
第1章 なぜ清少納言は『枕草子』を書いたのか
第2章 『枕草子』受容の前近代と近代
第3章 清少納言前史
第4章 中関白家の栄華と長徳の変
第5章 清少納言の家系
第6章 枇杷殿時代―紫式部と対峙する
第7章 清少納言の同母兄・清原致信暗殺事件
第8章 『無名草子』の清少納言伝承と伝能因所持本の成立
第9章 清少納言伝における“つきのわ”
第10章 清少納言の末裔―「小馬がさうし」の読者圏
附篇1 『枕草子絵巻』の世界
附篇2 冷泉家本『清少納言集』訳註
著者等紹介
上原作和[ウエハラサクカズ]
1962年長野県佐久市生まれ。大東文化大学大学院博士課程単位取得退学。博士(文学‐名古屋大学)。現在、桃源文庫理事。明治大学法学部兼任講師。主な研究テーマ・文献史学、日本琴學史、物語文学。創設40周年記念中古文学会賞(2006年)、全国大学国語国文学会賞(2007年)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。