内容説明
摂関期全盛の後宮を生き抜き、物語を通して、人生と社会の意味を問いかけたのが『源氏物語』である。その人と生涯を、清少納言や藤原道長、2人の夫など、紫式部をめぐる人々との関係を丹念にたどりながら明らかにする。紫式部の幼名・本名、恋愛と結婚、宮廷生活、職階、没年等について、先行研究を網羅的に検証しながら16の¥新見解を提示した本格評伝。和歌・漢文日記等に読みやすい現代語訳、専門用語に注記を付した。
目次
紫式部前史―時代背景
紫式部の「戸籍」
紫式部の家系
父・藤原為時の生涯
生い立ち1―幼名・通称「もも」説の提唱
生い立ち2―物語愛好と学藝史
青春時代 女友達をめぐる交友―めぐり逢ひて見しやそれとも
紀時文との結婚まで
紀時文との結婚
越前下向まで
越前の藤原香子
帰洛から再婚まで
藤原宣孝との結婚生活
宣孝の死と寂寥の日々
物語を書く女1―倫子家女房兼業作家説
寛弘三年十二月二十九日―命婦としての初出仕から掌侍への昇任まで
後宮女房・藤式部1―日記の存在について
後宮女房・藤式部2―上臈中宮女房として
物語を書く女2―作家・紫式部の誕生
藤原実資から見た「女房」紫式部
紫式部の死 終章
著者等紹介
上原作和[ウエハラサクカズ]
1962年長野県佐久市生まれ。大東文化大学大学院博士課程単位取得退学。博士(文学‐名古屋大学)。現在、桃源文庫理事。明治大学法学部兼任講師。主な研究テーマ・文献史学、日本琴學史、物語文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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