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内容説明
絵画に潜む表象主体の行為を探る。絵巻・物語絵などの絵画は、単に画題を絵で「伝達」するメディアではない。そこには制作にかかわる主体の画題への[解釈―表現]行為過程が介在している。その表象行為をめぐって、日本中世にはどのような特質が見られるのか。中世に制作された『信貴山縁起』、極楽寺蔵『六道絵』、『源氏物語絵詞』などを中心に、鑑賞者の解釈を誘発する、その表象の編成と仕組みを分析する。また、教育の場では絵画をどのように扱うことができるのか。実際の教育現場に携わった著者ならではの視点から、定番教材である『竹取物語』や『徒然草』を題材に、古典学習の拡充に向けた絵画の有効的な活用を提案する。
目次
序章 研究の目的と方法
第一章 “絵語り”論序説
第二章 説話画の“絵語り”―『信貴山縁起』尼公巻をめぐって
第三章 仏教説話画の“絵語り”―極楽寺本『六道絵』をめぐって
第四章 物語絵の“絵語り”―『源氏物語絵詞』をめぐって
第五章 教材としての絵画(一)―古典学習の拡充に向けて
第六章 教材としての絵画(二)―絵画テキストを活用した実践事例
結章 研究の総括
著者等紹介
井上泰[イノウエヤスシ]
1981年生まれ。2024年4月から福山大学大学教育センター准教授。学位 博士(学術)(2009年3月広島大学)。専門領域は、国語科教科内容学で主に日本古典文学。特に日本中世における文学と絵画表象を研究対象としている。大学院では、文学・絵画研究に取り組みつつ、それと国語科教育とを往還しながら古典学習に関する研究も行った。広島大学附属福山中・高等学校に着任後は、古典学習にとどまらず、広く〈読み〉の学習について実践研究を行い、国語科教育に関する研究を重ねてきた。現在は、教育・研究の場を大学に移し、中等教育教員養成に取り組みつつ、国語科教育・古典学習に関する研究や日本古典分野における文学・絵画研究に取り組んでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。