内容説明
古代日本の音楽演奏の特質を体系的にとらえる。七~十世紀の日本における音楽・芸能は、誰がいつどこでどのように行い、観て聴いたのか。人間の営みとしての音楽・芸能について、演奏と視聴という行為が繰り広げられた時間と空間=「場」が、どのような論理のもとで機能していたのかを検証。正史・日記・儀式書などの記録類に見られる奏楽記事の精緻な読み解きや大陸音楽との比較を通して、奏楽が行われた儀礼の意義や展開をとらえるとともに、それぞれの場で選択された音楽や芸能の法則性(脈絡)や、君臣関係との結びつき、政治的・社会的意義を明らかにする。
目次
第1部 大陸音楽の導入と展開(古代日本における葬送儀礼の芸能―大陸文化の導入とその政治的側面;踏歌節会の構造とその政治的意義―奈良時代を中心に;煬帝の百戯と日本の正月中旬饗宴儀礼―儀礼における奏楽の政治的意義について;中国の百戯と日本の相撲儀礼)
第2部 雅楽寮と左右近衛府の奏楽(五月五日節における芸能;旬儀と宴の奏楽―平安前期の奉献的儀礼と左右近衛府の芸能;律令的秩序と雅楽寮の奏楽―二宮大饗、大臣大饗、列見・定考、御斎会を中心に)
第3部 君臣関係と儀礼、その表象としての奏楽(内宴・菊花宴と内教坊の奏楽―嵯峨天皇の政策を中心に;男踏歌に関する基礎的考察;平安時代の臨時祭における(東遊))
著者等紹介
平間充子[ヒラマミチコ]
京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター客員研究員。聖徳大学音楽学部講師(兼任講師)。専門は日本音楽史、日本古代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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