内容説明
それは、食材の生産・運搬・調理・食べること・消化・排泄といった複雑で繊細な営みの連鎖によって構成されている。この連鎖をなかなか知覚できない現代社会では、人びとは「食」に対する関心もリスペクトも失ってしまうのではないか―。本書は、根源的な営みを、食べものの動きに沿って、「食べるもの」「食べものが口に入るまで」「人体内でおきていること」「しまいかた(排泄や身体の扱いかた)」の4部構成で解説。食文化を広範囲から見つめ直す画期的な一冊。
目次
1 食べるもの(食べるものを手に入れる;食べ物―なくてはならないもの ほか)
2 食べ物が口に入るまで(料理するということ;作る人、食べる人 ほか)
3 人体内で(五感;味覚 ほか)
4 しまいかたを考える(排泄物のゆくえ;いのちの交換と地球環境 ほか)
著者等紹介
佐藤洋一郎[サトウヨウイチロウ]
京都府立大学特別専任教授。ふじのくに地球環境史ミュージアム館長。専門は植物遺伝学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Witch丁稚
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買い物はある意味で売り手と買い手のかけひきだがそれをうっとうしいと感じる人は売り手の目利き力ですらマイナス。粉に挽いた方がアク抜きがしやすいのアクは魚や肉から出るアクとは別物。サポニン、タンニン、シュウ酸カルシウム。日本にはカミが米(粒)につくと考える地方と、田に居つくと考える地方とがある。東北地方の各地には「田の神」という短い品種があり水口付近に植える習慣があった。料理はとても幅の広い営み。全人的発達に重要だったのではないか?芸術のセンス、知の活用、身体技術の駆使の三術をバランスよく行使。2024/08/06
こじか
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食を研究した内容が整理。刺身定食を食べるために、どんな物語があるのか、食の歴史など再確認。排泄物に関する話は面白い。2022/09/10
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