内容説明
東アジアの墓葬遺構からは、「買地券」と呼ばれる遺物が発見されることがある。これは死者や遺族が、墓地を正当に購入したことを示す売買契約書であり、その多くは冥界の神々と結んだ契約なのである。古代中国に源を発し、朝鮮半島や日本でもその遺例が発見されている「買地券」は、時代・地域により様々な特徴を有し、東アジアの文化交流史を考えるうえで貴重な資料である。中国・朝鮮・日本に残る特色ある事例を多数のカラー図版とともに紹介、詳細な解説と釈文・現代語訳によって「黄泉の国との契約書」という不思議な存在を読み解く初めての書。図版点数二一〇点以上!
目次
中国(建初元年買山地題記;劉元台買地券;会稽亭侯買地券 ほか)
朝鮮(武寧王買地券;闡祥買地券;世賢買地券 ほか)
日本(矢田部益足買地券;宮ノ本遺跡出土買地券)
総論(虚実が交錯する古代中国の買地券;買地券文化と朝鮮・日本)
著者等紹介
稲田奈津子[イナダナツコ]
東京大学史料編纂所准教授。専門は日本古代史・東アジア比較文化史
王海燕[ワンハイイェン]
浙江大学歴史学院教授。専門は日本古代史・日中文化交流史
榊佳子[サカキケイコ]
東京大学史料編纂所学術専門職員。専門は日本古代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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