内容説明
中世社会の構造と特質をとらえる。安房妙本寺及びそれと対立と競合を繰り返した駿河富士門流寺院(富士五山。北山本門寺・大石寺・西山本門寺など)の展開を中心に、東国の日蓮宗寺院における門流支配の実態を政治・経済・宗教の三位一体的関係の把握という視点から明らかにし、その中世から近世への史的展開を浮き彫りにする。関係寺院に伝来する文書史料のみならず、各地に散在する聖教類・曼荼羅本尊・石造物など多様な資料を博掃し、寺院間の権力をめぐる対立と緊張、大名と領主との関係、由緒と伝統の創成、地域社会への影響などを解明。従来研究のない上総藻原寺の研究も含めて、長年、中世東国史研究を牽引してきた著者による最新の研究成果。
目次
第1部 駿河富士諸寺の展開―「富士四ケ寺」から「富士五ケ寺」へ(妙本寺門流の展開と小泉久遠寺―特に代官日義・日提・日珍段階を中心に;小泉久遠寺末寺の成立と展開―円蔵寺・本隆寺(長遠寺)・妙円寺の場合
駿河興津氏と大石寺東坊地相論に関する一考察―安房妙本寺研究の視点から ほか)
第2部 上総藻原寺の展開(上総藻原郷・二宮庄・藻原寺の中世的展開―寺院・都市・城郭;藻原寺檀那松本久右衛門家所蔵史料について―曼荼羅本尊を中心に)
第3部 安房妙本寺の展開(妙本寺関係史料からみる自然災害史序説―房総・駿河・日向を中心に;妙本寺と中山法華経寺―特に戦国末期の日侃書状から;日我と法華問答―「宗論」をめぐって ほか)
著者等紹介
佐藤博信[サトウヒロノブ]
1946年新潟県新発田市に生まれる。現在、千葉大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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