内容説明
公文書は、健全な民主主義の根幹を支えるとともに、わたしたちの歩みを後世に伝える市民の財産である。「消えた年金記録問題」などを受けて「公文書管理法」が2011年に施行されたが、その後も国のずさんな公文書管理はたびたび問題となっている。「公文書管理法」は地方自治体にも、さまざまな影響をおよぼしているが、公文書の管理をめぐり、自治体はどのように対処し、いかなる問題が新たに生じているのか。現状を俯瞰するためにアーカイブズ学/歴史学/法学の研究者、そしてアーキビストが集い、都道府県の取り組みの実際を検討し、これからを展望する。
目次
第1部 公文書管理法後における自治体の公文書管理(公文書管理法後の自治体の文書管理;公文書管理法と自治体―法律への副反応?)
第2部 アーキビストからみた自治体の文書管理(千葉県文書館における誤廃棄問題以後の取り組みについて―評価選別を中心に;千葉県文書館収蔵公文書の廃棄・移動をめぐる問題に関する報告;公文書管理条例と向き合う公文書館―滋賀県立公文書館を事例として ほか)
第3部 第三者からみた自治体の文書管理(香川県における公文書管理の現状;熊本県の公文書管理とその体制;石川県における公文書管理の現状と課題―公文書管理条例・公文書未設置自治体の取り組み ほか)
著者等紹介
宮間純一[ミヤマジュンイチ]
1982年生まれ。中央大学文学部教授。専門は、日本近世史・近代史、アーカイブズ学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。