内容説明
著者と同郷の篤志家であり、駿河銀行創業者となった人物の土着の信仰と思想、人生は、近代日本人の理想的典型であり、『人間の運命』という大伽藍の庭に建つべき銅像であった。参考作品「我入道」「信者」他、『人間の運命』関連エッセイを収める。
目次
岡野喜太郎伝
完全版『人間の運命』関連資料集2(我入道;信者;大黒柱;あとがき―若い友柴田徳衛君に;あとがき―若き友TS君に;「人間の運命」創作余話;対談 人間の運命;大河小説と取り組んで七年(インタビュー)
あとがき―若い友S君に
「人間の運命」を書き終えて
あとがき
『人間の運命』を完結して
思い出すこと(一)
思い出すこと(七)
思い出すこと(十)
思い出すこと(十一)
思い出すこと(十二)
思い出すこと(十六)
編集付記
解題)
著者等紹介
芹沢光治良[セリザワコウジロウ]
明治29年5月4日、静岡県駿東郡楊原村(現・沼津市)我入道に生まれる。楊原小学校、沼津中学校(現・沼津東高等学校)、第一高等学校仏法科を経て、大正8年東京帝国大学経済学部入学。在学中に高等文官試験に合格。大正11年東京帝国大学経済学部卒業。農商務省に入省。大正14年藍川金江(清成二女)と結婚。渡仏しソルボンヌ大学入学。留学中に肺結核を発見され、フランスやスイスで療養。昭和5年帰国後、「ブルジョア」が『改造』の懸賞小説当選(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mak2014
4
やっと全18巻読了。18巻は別巻で『人間の運命』に関するエッセイや内容的に重なる部分のある短編など。『岡野喜太郎伝』は現スルガ銀行創業者の伝記を銀行から依頼され執筆したもの。取材があまりできなかったようだが、何でもかんでも岡野は凄い!と芹沢の妄想的解釈なので、伝記としてはあまり感心できない。『我入道』『信者』『大黒柱』は『人間の運命』でも書かれた漁業の改革、宗教、義父の妾問題と、芹沢は不快を感じているはずの問題をしつこく書いている。正直、かなりねちっこい人ですね。2016/10/19