内容説明
フランス留学中の親友ジャック・ルクリュは、夫人と別居して戦争と革命の中国に、北京大学教授として赴任。革命と戦争の世紀に翻弄された夫婦それぞれの思いと、西洋の夫婦の関係を交遊記録として描く。ジャックは中国作家巴金と共通の友であった。参考作品「失恋者の手紙」他、自伝エッセイを併収。
目次
愛と知と悲しみと
完全版『人間の運命』関連資料集1(失恋者の手紙;勝とうとする心;捨犬か雑草のように;窓辺;編集付記)
著者等紹介
芹沢光治良[セリザワコウジロウ]
明治29年5月4日、静岡県駿東郡楊原村(現・沼津市)我入道に生まれる。楊原小学校、沼津中学校(現・沼津東高等学校)、第一高等学校仏法科を経て、大正8年東京帝国大学経済学部入学。在学中に高等文官試験に合格。大正11年東京帝国大学経済学部卒業。農商務省に入省。大正14年藍川金江(清成二女)と結婚。渡仏しソルボンヌ大学入学。留学中に肺結核を発見され、フランスやスイスで療養。昭和5年帰国後、「ブルジョア」が『改造』の懸賞小説当選(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mak2014
3
『人間の運命』に関連する長編『愛と知と悲しみと』と4編のエッセイ等が収録。『人間の運命』を読んでいる時、常に思っていたことだが、芹沢光治良という人はどういう人なのだろう。自伝的小説が作者自身を正確 描き出しているものでもないだろうが、小説からはどう考えても人から養子、婿養子、義兄弟に請われるようなすばらしい人には思われない。『愛と知~」でも親友ジャックの家族の内情を根掘り葉掘り描いて。そんなことを巴金が知りたいと思うのだろうか。巴金の名も作品に箔をつけるために利用しているとしか思われない。2016/08/07
ひみこ
0
16巻とは繋がってなかった。中国の巴金(はきん)兄(けい)に書いた手紙のような文章。ジャック・ルクリュとその家族(コルネリッサン夫人)のことについての話だった。静岡新聞の窓辺に掲載された文章もあった。2022/01/16