内容説明
澁澤龍彦の年少の朋友として、その人物像と全作品に精通している稀代の碩学が、半世紀近くにわたって発表しつづけたエッセーとトークの一大集成、全5巻。「澁澤龍彦」とは誰か?私たちの「澁澤さん」をより広く深く知るために、美の森を彷徨い、ともに旅立とう。記念碑的な美術書、そして新編集の大いなる「旅」の書。
目次
澁澤龍彦幻想美術館(澁澤龍彦の美術世界;澁澤龍彦の出発;一九六〇年代の活動;もうひとつの西洋美術史;シュルレアリスム再発見;日本のエロスと幻想;旅・博物誌・ノスタルジア;高丘親王の航海)
澁澤龍彦と「旅」の仲間(出会い・手紙・旅;二〇〇七年のトーク集;澁澤龍子さんに聞く;震災後の発言)
著者等紹介
巖谷國士[イワヤクニオ]
1943年、東京に生まれる。東大文学部卒・同大学院修了。仏文学者・批評家・作家・旅行家・明治学院大学名誉教授。二十歳で瀧口修造と澁澤龍彦に出会い、以来シュルレアリスムの研究と実践をつづける。十五歳年上の澁澤龍彦とは親しく交友し、唯一人の「共著者」となる。澁澤龍彦の『全集』『翻訳全集』の編集や記念展をリードし、多くのエッセーやトークを捧げてきたが、本来の活動領域も広く、文学・美術・映画・漫画の批評から紀行・博物誌・庭園論・メルヘン創作、また展覧会監修・講演・写真個展などに及ぶ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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保山ひャン
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「澁澤龍彦 幻想美術館」からの原稿を加筆修正したパートと、単行本未収録の「澁澤龍彦と『旅』の仲間」から構成されている。図版多数の「幻想美術館」パートも面白いが、読みどころは後半4分の3を占める「旅」の仲間パートで、「出会い・手紙・旅」「2007年のトーク集」「澁澤龍子さんに聞く」「震災後の発言」の章立てで、澁澤龍彦の現代性が存分に語られるのみならず、巖谷國士さんの今をうかがうのに恰好のテクストになっている。まるですぐ目の前に巖谷さんがいらして語られているかのような臨場感が味わえた。2018/04/15