出版社内容情報
日本で著述され、かつ、本来の中国語文には見られない和習を含んだ漢文―変体漢文。
この「漢文式に日本語文を書く」というあり方は、記録・文書・典籍等を記す文語文として中核をなし、前近代の日本人の日常的な言語生活に深く根付いていた。
和文・漢文のはざまを漂う「鵺」のような存在として未だ総体を捉える基盤研究のなされていなかった変体漢文の特性と言語的特徴を同時代の諸文体との対照から浮き彫りにし、日本語史のなかに定位する。
内容説明
日本で著述され、かつ、本来の中国語文には見られない和習を含んだ漢文―変体漢文。この「漢文式に日本語文を書く」というあり方は、記録・文書・典籍等を記す文語文として中核をなし、前近代の日本人の日常的な言語生活に深く根付いていた。和文・漢文のはざまを漂う「鵺」のような存在として未だ総体を捉える基盤研究のなされていなかった変体漢文の特性と言語的特徴を同時代の諸文体との対照から浮き彫りにし、日本語史のなかに定位する。
目次
序論(変体漢文導論;研究史と本研究の観点;橋本進吉による「変体漢文」の定義と古事記の位置付け)
本論 (語彙より見たる変体漢文の性格(1)―文体間共通語への着目
語彙より見たる変体漢文の性格(2)―漢文訓読語的部分への着目
表記より見たる変体漢文の性格)
結論(本研究のまとめ;課題と展望)
著者等紹介
田中草大[タナカソウタ]
昭和62年9月京都市生れ。大阪大学文学部卒業、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。京都大学大学院文学研究科講師。専門は日本語文語史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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