内容説明
こんなに多くの動物たちが、なぜ、この地球上から姿を消さなくてはならなかったのか?クック船長の冒険以来、絶滅の淵へと追いやられた生きものたちへのレクイエム。地球は人間だけのものではない。NHK衛星第一で放送され、大反響を呼んだ「20世紀生きもの黙示録」の単行本化。棲息当時の動物の姿を精緻なイラストレーションで再現。
目次
第1章 王の最期
第2章 孤独な死
第3章 殺戮という名の愛
第4章 欲望の犠牲者たち
第5章 哀しき敗者たち
第6章 神秘の消滅
第7章 理由なき嫌われ者
第8章 絶望の果ての希望
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ローレンツ🐾
11
古本屋さんで見つけて資料用に! 20年以上前の出版された本。100種弱のさまざまな種の生物たちの絶滅の様子が書かれているが、そのほとんどが人類の影響によるもの。 たくさんの種を絶滅させてきた人類もまた、いずれは絶滅することになるだろう。 しかし、人間という生き物は本当に身勝手でどうしようもないものだとつくづく思い知らされた。2020/10/01
gokuri
5
絶滅した主の記録集。イラストとともに、特徴、発見の経緯と絶滅までを2~4ぺージで、淡々と記載している。 島をはじめとした、隔離された環境に細分化された種がたくさんいることはわかるが、それにしても、大航海時代以降に多くの種が、人によって(あるいは、人が持ち込んだ猫、ネズミなどによって)絶滅したことか。クック船長の航海の影響おそるべし。大量の個体も信じられないほど短期間に絶滅していることは、まさに、現代でも起こっていることかもしれない。2021/06/12
abaoaquagga
1
高笑いめいた鳴き声のワライフクロウだって、ハート型の角を生やしたキタハーテビーストだって、口から出産するイブクロコモリガエルだって、みんなみんな生きていたんだ友だちだったはずなのに、逢いたくなった時に彼らはここにいないし二度と帰らない。大陸から孤島までくまなく開拓し、食用・駆除・娯楽とあらゆる理由で生存を脅かしてくる人類は、本書で追悼された91種の動物たちにとって隕石衝突にも等しい災害だったろう。哀しみの中に文明批判を込めて固めた水饅頭的一冊。2024/03/12
えふのらん
1
十八世紀から二十世紀にかけて絶滅した動物の記録。「二十世紀」が原因で絶滅した動物は太平洋戦争中に飢えた日本兵によって食い尽くされたウェーククイナのみなのが興味深い。他も世紀内に絶滅してはいるが、殆どが十八世紀に西欧人が行った開拓やクマネズミやネコによる自然環境の西欧化に発端がある。二十世紀といえば戦争だが、そんなものがなくても自然は容易に崩壊していく。「十八世紀にクック船長が動植物の記録をイギリスに持ち帰ったことが、生きものたちの悲劇のはじまり」という序文がいかにも的を得ていて面白かった。2014/06/13
U-G.Kintoki
0
だいたい人間のせいってのがね。ウナギもマグロもそうだけど、フツーの人間は今あるものがこの先なくなるかもしれないってあんまり考えられないよなあ。2015/06/03