内容説明
18世紀中頃から識字率が上昇し、それに比例して趣味としての読書が流行した。英国ロマン派を代表する詩人ワーズワスとコウルリッジの共同詩集『リリカル・バラッズ』は、そんな読者が増大する変革期の作品である。読者を支えた読書施設や出版事情等の文化史的考証をふまえて、詩人ワーズワスと当時の読者の相互影響関係を探る。
目次
第1章 18世紀末の読者概論
第2章 コミュニティとしての読者:各種読書組織
第3章 ロマン派時代の予約購読出版
第4章 コウルリッジの『詩集』「序文」と『リリカル・バラッズ』「趣意書」の読者観
第5章 『リリカル・バラッズ』初版の出版と詩集の編纂
第6章 『リリカル・バラッズ』第2版出版と詩集の編纂
第7章 『リリカル・バラッズ』への反響―初版に対する批評
第8章 『二巻本詩集』批評に包摂された『リリカル・バラッズ』「序文」批判
著者等紹介
小林英美[コバヤシヒデミ]
1967年千葉県生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、同大学院教育学研究科博士課程単位取得満期退学。博士(学術・早稲田大学)。現在、茨城大学教育学部教授。専門分野は、英国文学、特に19世紀初頭のロマン主義文学を中心に研究している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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