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三島由紀夫と能楽―『近代能楽集』、または堕地獄者のパラダイス

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  • サイズ B6判/ページ数 281p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784585290469
  • NDC分類 912.6
  • Cコード C1020

内容説明

戦後の希望(虚妄)に対峙しつづける三島由紀夫は、能楽の「生の否定」を華麗に脱構築し、救済を拒絶し絶望の美的結晶体と化した者たちの疾駆するドラマ『近代能楽集』を書く。現代にこそ鮮烈によみがえる三島由紀夫―「生きづらさ」を生きぬくポスト・セカイ系世代の新鋭による初の三島=能楽論。

目次

第1部 近代における「能楽」の発見から三島由紀夫の能楽受容まで(近代における能楽表象―国民国家、大東亜、文化国家日本における「古典」として;三島由紀夫の能楽受容―「言葉の優雅」から「実際の行動」まで)
第2部 『近代能楽集』、全作品を読む(能楽における「生の否定」の発見「邯鄲」論;絶望のもう一つ先の「美」へ「綾の鼓」論;認識者と実践者、その葛藤の帰趨「卒塔婆小町」論;救いなき死の受容「葵上」論;不幸と狂気の美的結晶体「班女」論;滅亡前の雨降る暗がりへ「熊野」論;「この世のをはりの焔」は消えない「弱法師」論;切り捨てられた供養「源氏供養」論)

著者等紹介

田村景子[タムラケイコ]
1980年、下関生まれ。前橋で育つ。横浜の桐蔭学園高等学校から、早稲田大学第一文学部へ。同大学大学院文学研究科修士課程、同教育学研究科博士課程を修了。博士(学術、早稲田大学、2012年)。「近代・現代文学と能楽」研究を軸に、三島由紀夫、泉鏡花、郡虎彦から石牟礼道子、夢枕獏、現代演劇までを視野に入れる。生粋の「エヴァンゲリオン」世代で、アニメ、マンガ、ライトノベル論もてがける。現在、早稲田大学文学部、亜細亜大学他非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

takao

1
ふむ2020/03/03

sugarC

0
「生の肯定」を高々と掲げる戦後において失われたものは仏教的救済=来世での救済=生の否定。仏教的救済をその主眼とする能楽を近代において再構築するために、三島は救済を切り取る。「堕地獄」たる戦後の生きづらさと、そこで生きることで純化される不幸と狂気、その結晶としての美。しかし、戦後を相対化するそうちであったはずの能楽から三島は「一回性」を摘出する。それは三島の「行動」=自決の指針となり、「悲劇」の表象となり得てしまった。2014/04/14

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